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COACH K'S BLOG

倉石 平のバスケットボールブログ 週1回、毎週木曜日アップ!
マーチマッドネス

 1年間で最もバスケットが盛り上がる3月、マーチマッドネス(March Madness)がやってくる。
 朝から晩まで、時差があるせいも加わり絶えず試合がテレビで流され、バスケット好きには堪えられない季節である。NBAはプレイオフ目掛けて終盤の戦い、NCAA(全米大学体育協会:National Collegiate Athletic Association)、NIT(全米選手権:National Invitation Tournament)と大学では終盤を迎え、最も面白い季節でもある。プロだけでなく、大学では3月末に迎えるクライマックス目掛けて、全米は否応なしに盛り上がる。今回はこんな中でNCAA、NITに焦点を当てる。

 1部校が全米で300を超え、そしてカンファレンスが30を超える中、それぞれのカンファレンスでのトーナメントを勝ち抜いたチーム、そしてそこから推薦されたチームでNITが始まる(64校+推薦4校)。最初の週が1,2回戦、次の週がスウィート16(*1)、エリート8、そして最後の週がファイナル4である。最後のファイナル4には、会場に全米から6万人以上の観客が訪れる。
ここまで勝ち上がってくるのに、大変なドラマがいくつも展開される。アップセット(*2)も当たり前、そして接戦のゲームも当たり前。大差のゲームなどほとんどなく、上位シードチームだろうが、1回戦から大変な戦いをするのである。しかも毎週末、試合のため全米中を駆け巡るわけである。相当な体力、忍耐力、そして頭脳を使った戦術戦略の立案、最後に運、優勝まではどれ一つとして欠けることは許されない。

 こんなゲームを見逃すわけはない。全米中が熱狂するので、「3月の熱狂=March Madness」と呼ばれる。テレビも佳境であり、全てのゲームが全国ネットで放映され、視聴率も高い。またNCAAは、テレビ局のことも十分に把握しており、コマーシャルを入れる時間もコントロールしている。最も象徴的なのがコマーシャルタイムアウト。双方のチームが5分以上にわたりタイムアウトを取らなかった時、ボールがデッドした瞬間にコマーシャルタイムアウトがとられる。これは、NCAA側がテレビ局側に対して費用対効果を鑑みた上のことである。このNITは、日本で言うところの高校野球に匹敵するイベントである。しかし日本はコマーシャルのないNHKが放送する。スポーツが今後プロ化をしてゆく上で、考えなければならないことかもしれない。

*1 NITではトーナメントのベスト16を「Sweet 16」、ベスト8を「Elite 8」、ベスト4を「Final 4」と呼ぶ。
*2 下位シードのチームが上位シードのチームに勝つこと

2013/02/28

オールスターが終わった

 現地時間の日曜日にNBAオールスターが終わった。
予想はしていたが、従来のアメリカのバスケットとは相当異なる展開が繰り返された。

何が異なるか。従来のアメリカのバスケットは、インサイドゲームと言われるほど、嫌ってほどゴール下にボールを集め、大きなプレイヤーが力づくで得点をもぎ取ってくる展開であった。しかし最近は、世界選手権やオリンピックに見るように、シューティングゲームに変化しつつあるのだ。シューティングゲームというと、やはりヨーロッパでのバスケットボール。リングが見えたらシュートと言われるほど、アウトサイドでのシュートが多いゲームであるが、最近はヨーロッパのお株を奪うほどにアメリカのバスケットもアウトサイドのシュートが多くなってきた。

 最近では大きなプレイヤーはアメリカ人がほとんどいなくなり、ヨーロッパやアフリカ出身の選手が多くなってきたため、プレーに変化が出てきたといえる。一方で大きなプレイヤーに勝つというイメージが出てきて、見ているファンとてそちらに見方が変化しているとも取れる。つまりアメリカ人の小柄なプレイヤーが、大きなアメリカ人や他国籍のプレイヤーを打ち負かす、といったイメージである。したがってスピードがありアウトサイドのシュートが多い展開となる。

このプレーで目立ったのは、レブロン・ジェームス(マイアミ・ヒート)やコービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)、そしてケヴィン・デュラント(オクラホマシティ・サンダー)やカーメロ・アンソニー(ニューヨーク・ニックス)などであったが、ここに大きな変化が現れた。これらのプレイヤーをコントロールする司令塔の存在である。上記の選手はいずれもアメリカを代表しロンドンオリンピックでプレーしていたが、今回のオールスターでのウエストのクリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)の存在はピカ一であった。変幻自在のボールコントロールに加え、スピードの変化、リズムの変化、ディフェンスをまさに翻弄し、他のプレイヤーをやる気にさせていた。数字的にも20ポイント15アシスト、ダブルダブルの大活躍でオールスターMVPを獲得した。
 これから始まるNBAの後半戦、プレイオフ目掛け、ますます目が離せなくなってきた。スピードあるプレー、そして小気味良い切れ味、それをコントロールする司令塔と・・・。
見せ場が盛りだくさんである。

(2013/2/21)

2013/02/21

NBAオールスターゲーム

シーズンに一度のオールスターゲームがもうすぐです。
今シーズンからファン投票によるスターターの決定方法が変わりました。
従来はポジションごとの選出でしたが、今シーズンからは、バックラインとして2名、フロントラインとして3名の選択となりました。
近年のバスケットボールの変化にアジャストする格好だと感じています。
どのような変化なのかというと、それは全員が攻撃を仕掛ける攻撃的なバスケットなのです。
ポジションにこだわって、職人のようにインサイドだけ、またはボールを運ぶだけというかたちから、全てのプレイヤーが全てのプレイをする、オールラウンダーの格好のバスケットに変化してきたからだと考えます。
また、一方ではアメリカンバスケットが大きく変化したのも理由の一つになっています。

ロンドンオリンピックでは、従来インサイドゲームのアメリカ対シューティングゲームのヨーロッパと言われていた。
ところが、アメリカが3ポイントシュートで、スペインがインサイド、ペイントポイントで勝負をしていたのです。
そして圧倒的なポイントでアメリカが勝利したわけです。ここでも誰もが想像もしなかったかたちでのチャンピオンだったのです。
ここからもわかるように、ルールの変化はあったかもしれませんが、明らかにシュートがうまいことが欠かせない格好になってきたと言えると思います。
もう一つ特筆すべきは、最近のNBAのセンターにアメリカの選手がいないということです。
センターと言うと、ヨーロッパもしくはアフリカが多いと思います。したがって、スーパースターといってもほとんどが2メーターを少し超えるか、2メートルに達しない小柄なプレイヤーが多くなってきたといえます。
そこで今回のようなポジションを限定しない、バックライン、ここは比較的ガードのポジション、従来で言うポイントガード、シューティングガード、そしてフロントライン、ここはフォワード、従来で言うスモールフォワード、パワーフォワード、センターということになったのだと考えます。

今回イースト対ウエスト、少し身長的に差異が出ました。しかしプレイには支障はないと考えます。逆に面白いマッチアップになったのではないでしょうか。今まで以上にスターターにスターが集まったオールスター、非常に楽しみです。

(2013/2/7)

2013/02/07

皆様こんにちは

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皆様こんにちは、早稲田大学 倉石平と申します。
このたびスポルディング・ジャパンのアドバイザーとなりました。以後お見知りおきいただければ幸いです。
アドバイザーとなった経緯としましては、シューズを作っている早稲田大学の先輩との関係、スポルディングの持つブランドイメージへの憧れなど、さまざまな要素が交錯しまして、アドバイザーになる決意をしました。このような仕事をさせていただけることにもすごく幸せを感じるともにスポルティング社には感謝しております。

スポルディングは、アメリカンブランドであり4大メジャースポーツのグッズと言えば必ずや最初に出てくるブランドです。しかし、そんなブランドイメージがここ日本では若干異なるイメージになっていると感じています。私はバスケットシューズやボールの開発と販売促進活動を通して、スポーツのトップブランドのイメージを皆様に提供すべく微力ではありますが頑張る所存であります。よろしくご協力のほどお願い申し上げます。

さて、今回私が手掛けますバスケットボールシューズは、新しいスポーツ科学の粋を集めた渾身の作であります。軽さや安定感、グリップ性能など数えきれないほどの良さを持つシューズであります。まだ発売は数か月後ですが、必ずや素晴らしいシューズが出来上がることをここにお約束いたします。

次にスポルディングは、ボールメーカーとしても世界屈指であります。最もメジャーな『NBA』、そして世界で2番目と言われているリーグ『ユーロリーグ』、そして世界各国リーグでも現在最も強さを発揮している『スペインリーグ』。この3つのプロリーグの使用球は、いずれもスポルディングなのです。世界に目を向けると、なんと世界のトップリーグオフィシャルボールがスポルディングであり、世界中から脚光を集めているボールブランドと言えるのです。

スポルディングのリングも最近注目を集めています。NBAの試合会場となっている各アリーナ、その中でも特に中継が多く、リングがアップになる確率が高いLAレイカースとクリッパーズの本拠地、ステイプルズのリングももちろんスポルディング社製です。リングの根元や支柱に描かれるスポルディングマークは大変目立っており、NBAプレイヤーたちに信頼され、愛されるグッズを作り続けているメーカーと言えると思います。ボールやシューズ、リングの他にも、現在バスケットボールのあらゆるカテゴリーに着手しておりますので、今後のスポルティングの進みにご期待ください。

今後毎週コラムを書くことになりました。バスケットボールのまつわることから始め、スポーツの持つ魅力など、私なりの気持ちや考えを表現してゆきたいと思っています。末永くお付き合いいただければ幸甚であります。

(2013/2/5)

2013/02/05