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COACH K'S BLOG

倉石 平のバスケットボールブログ 週1回、毎週木曜日アップ!
NCAA全米選手権開幕

全米大学選手権がついに始まる。待ちに待ったゲームが始まった。ところが驚くことが開幕から繰り返されたのである。
何が驚くことか、名門と呼ばれる常勝チームやランクに入っている今シーズン有力視されていたシードチームが、無名とまではいかないまでも、これは負けないだろうと思われるチームに敗戦という、まさにアップセット=下剋上の幕開けとなったのである。

バスケットボールという競技は、手を使う、リングが上方にあるなどの要因で、経験やコーチングスタッフなどでおおよそアップセットが少ない競技と言われ続けてきた。ところがこの惨状、何が起こっているのだろう。そのあたりを今週は考えたい。

まず、ランク1位であったゴンザカ大が2回戦でウイチタステイト大に敗戦。そしてケンタッキー、UCLA、ノースカロライナ、ジョージタウンという名門校。その名門には必ずと言っていいほど、名将と言われるコーチが存在する。それにもかかわらず敗戦なのである。
これはどのように考えればよいのであろうか。名門校の名将たちは、はっきり言って高齢化が進んでいることは否めない、それに比べその名門校に勝利した大学には、無名に近く若手のコーチが多い。ここがアメリカなのかもしれない。まさにアメリカンドリームなのである。
ここ数年でこれだけのアップセットは見たことがないほどであり、どこがファイナル4に、そしてどこが優勝するのか、皆目見当がつかない。こんなことが今までにあったのであろうか。私が30年以上見続けた中ではないと思われる。

もしかすると、これが幕開けでコーチ陣の新旧交代が始まるのか、もしくは新たなる戦術や戦略が生まれてくるのか、いずれにしろ新たなる何かが生まれるきっかけになりそうなシーズンである。まだまだ1、2回戦が終了したばかり、これからスイート16、エリート8、そしてファイナル4・・・。まだまだ先は長いが、見ている我々にとってはこれ以上の面白さはない。ただ、ゲームをしている本人たちは相当なプレッシャーであろう。若手のコーチたちが何をしてくれるのか、はたまた名将がやはり勝利するのか。これからの戦いから目が離せない。

(2013/3/28)

2013/03/28

マーチマッドネスも佳境

 3月も終盤を迎え、世界中のバスケットファンが夢中になる季節がきた。NCAAは佳境をむかえ、今週末から全米選手権が始まる。待ちに待っていたビッグイベントである(※過去のブログ記事「マーチマッドネス」参照)
NBAも佳境を迎えつつあり、プレイオフ目掛け息の抜けない戦いは終盤である。またユーロリーグも、最終のファイナル4目掛けここも佳境である。そして日本も男子JBLがシーズン終盤、今週末でプレイオフ進出チームが決定される。女子WJBLは、つい先日ファイナルが終わった。いずれも終盤の面白い時期であり、時差もありしょっちゅうインターネットから目が離せないでいる。寝る間を惜しんでの情報入手である。最近はインターネットTVも盛んで、時々動画も見られる。まさに興奮冷めやる時間がないくらいである。

 こんな中、今週はNCAAの全米選手権に照準を当ててお話したい。330を超えるディビジョン1の大学、そして30を超えるカンファレンス、そんな中から勝ち残った64校+4校の大学が全米ナンバーワンを競う、しかも負けは許されないノックアウト方式。実力プラス運も必要不可欠な要素である。
今週末から3週間にわたり展開されるトーナメントは、プレイヤーたちにとっても、とてもハードな戦いである。コーチングスタッフにとっても、戦術戦略を駆使してこの1年間の全てを出し尽くすために心身ともに目一杯の準備と神経を使う。また、この取り巻く環境、つまり応援をする学生・ファンもさることながらチアリーダーたちにブラバンなど総勢100人近くの応援団、日本では考えられない環境なのである。
また会場一つとっても、1回戦からエリート8までの4回戦の戦いに関しては、収容人員2万人前後のアリーナで行われるが、最後のファイナル4に関しては、NCAAの規則により6万人以上の人員が入るアリーナでなければならない。日本では多いと感じるかもしれないが、向こうではここ数年7万人を超える形になっている。
TVの放映権料もばかにならず、噂ではスポーツで最も高いといわれている。ここまで世界の皆が夢中になる大会、ぜひ日本で再び放送してもらいたいものだ。以前NHKで放送していた(1989年から1995年位まで)、そしてスカパーでも放映されていたが、今年からは全く見られないのである。世界中が熱狂的になる大会、是非とも日本の方々にも伝えたい。

(2013/3/21)

2013/03/21

ヨーロッパ事情~スペイン編~

 スペインに到着した。
以前から感じていたことであるが、バスケットボールのレベルがとても高い。フエンラブラルと言うドアマットチーム(*1)に最初に伺ったのであるが、それでもすごいシュート力、他のヨーロッパのチームに比べても数段上といった感じである。その後に上位のユニハカ、そしてFCバルセロナと世界でも有名なチームを見て、なおのこと確信を得た感じである。高確率のオフェンス、計算されたゲーム運び、何をとってもトップクラスを感じる。
ヘッドコーチたちも、「スキルレベルはすでにアメリカを抜いた」とまで豪語する。どこからこのようなことが言えるのか、今後調査したいと考えているが、それにしてもここまでのコーチたちの熱き指導、そしてプレイヤーの高いモチベーション、どうしてこう良い条件のサイクルが回るのであろうか。ぜひ真似たいところでもある。ついでであるが子供からの一貫した教育環境も、さすがと言わざるを得ない。

 ところで、スペインのボール環境についてだが、前回も紹介したがユーロリーグはスポルティング社製のボールを使用している。また、スペインリーグ(ACB)もスポルティング社製を使用している。ただスペインリーグのボールだけは、ゴムのふち(チャネル)が白でボールの色も若干異なり、スペインリーグの名前がマーキングされた特殊なボールだった。通常のものと若干異なるようにも見える。
サイズ感は少し小さくも見えるが、実際に触ると確かに7号ボールであった。国際ルールでは大きさと重さに幅があり、その最下限を使用していると思われるのがスポルティング社製。小さくは見えるが、認定されたれっきとした公認球であり、世界のトッププロすべてが使用しているといっても過言ではないと感じる。

NBAに愛され、ユーロリーグにも愛され、世界のトッププロはすべてスポルティング社製を使用している。最近はリングもスポルティング社製を見かける。ドイツのトップチームのホームも(バンベルグ)事実、スポルティング社製であった。徐々に普及してゆくスポルティング、いや復活してゆくスポルティングなのかもしれない。

*1 ドアマットチーム:弱く下位に沈むチームのこと。皆に踏みつけられることから「ドアマット」と呼ばれる。

2013/03/14

ヨーロッパ事情 ~ドイツ編~

 私は現在ドイツのバンベルグという街に来ている。もちろんバスケットボールが目的で、アンダーカテゴリー(若い世代)の強い地域ということで来た。確かに、クラブ制が確立されアンダーカテゴリーからプロ、そしてその後にまで手厚い待遇が用意され、競技に対する熱き思いを感じさせられた。そんな中で今回注目したのは、ボールについてである。

日本ではほとんどのカテゴリーでモルテン製のボールが使われる。また、オリンピックや世界選手権でも同じくモルテン製のボールが使われている。
ところが今回ヨーロッパに来て、とにかく目についたのはスポルティング製のボールである。『ユーロリーグ(NBAの次に隆盛を期しているといわれている世界屈指のリーグ)』、ドイツの『ブンデスリーガ』、そして世界でアメリカに次いで安定した実力を表現しているスペインの『リーガエスパニョーラ』でも、みなスポルティング製のボールが使われている。ドイツにいたってはトップリーグがスポルティング製で、下部リーグ・アンダーカテゴリー・U-18はウィルソン製、ところがU-16になると再びスポルティング製のボールなのである。アメリカを見ても、アマチュアのNCAA(全米大学体育協会)はウィルソン製、しかしそれにも関わらずNBAになった瞬間にスポルティング製のボールに変わるのである。このような事を鑑みると、NBA、ユーロリーグ、リーガエスパニョーラ、ブンデスリーガなど、世界のトップであるプロリーグはみなスポルティング製のボールを使用していることがわかる。

 ユーロリーグを少し歴史的に振り返ると、オリンピックでモルテンがとても強い勢力を発揮する中、北京オリンピックあたりまでボールはモルテン製であった。ところが翌年あたりからナイキ製に変わり、そして今シーズンからスポルティング製へと変化したのである。日本においてもbjリーグはスポルティング製のボールを採用している。ボールの使用や露出は、完全なまでにスポルティングが世界を制覇したといえる状況ではないだろうか。

 もうすぐスペインに渡り再び調査を開始するが、スペインでのスポルティングの現状を次週にぜひ紹介したいと考えている。

(2013/3/7)

2013/03/07