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COACH K'S BLOG

倉石 平のバスケットボールブログ 週1回、毎週木曜日アップ!
欧米と日本のスポーツ教育

 先週に引き続き日本と欧米の違いについて述べます。今回は、バスケットボールをすること自身、スポーツ権に関わることを紹介します。

 まず、日本の現実です。日本においては、教育に関しては平等に受ける権利があるというのが当たり前です。しかしこれに関してスポーツはどうなのかと申しますと、小学校から大学まで、教育機関に関しては学校体育であり平等であるということになります。スポーツとはとらえてはいないのです。(スポーツと体育の違いは後日お話しします)したがってどこかに所属(入学)した瞬間に、本人がバスケット部に入りたいという意思があれば入部することができるということになります。

 では、欧米はどのようになっているのか。ヨーロッパとアメリカでは、若干異なります。ヨーロッパは、クラブチーム制を取っていますので学校とは関係ありません。アメリカは、学校となります。そして日本と異なるのが、このクラブに入れる人数です。ヨーロッパもアメリカも、バスケットボールでは12名しか入ることはできないのです。とても狭き門で、プレイをしたくともできないのが現実です。そしてプレイできるのは、トップのエリートということになります。大きな違いということが言えます。
 このどちらが良いかという判断はできません。それなりに良いところと悪いところがあると思うからです。しかし現実的にはこの欧米スタイルがグローバルスタンダードになっています。

 日本を中心とした隣国、韓国や中国も中学以降のクラブは、学校で行われてはいますが、エリート教育であり12名しか参加できない形をとっています。
世界はトップアスリートに良い環境を与え、より大きく飛躍させる体制を作っていると考えます。その反対に、日本では底辺の拡大により多い参加者がいれば素晴らしいプレイヤーが出てくるという考え方です。しかし昨今の世界潮流を考えれば、これでは間に合わないのではないだろうかと考えます。
クラブチーム化、シーズン制、幼少期の運動機会の増加などなど、今後すぐにでも取り組まなければならないことが山積の日本だと考えます。

2013/04/25

終盤を迎えたシーズン

 バスケットボールシーズンも終盤を迎えている。
ヨーロッパも次週にはファイナル4が、日本も最後のJBLファイナルが17日に始まった。いずれも終盤、大詰めを迎える。
今回はこのシーズンの事とその関わり、特に日本の事情を記したい。これは私の私見であり、是非こうしたいというわけではない。

 世界中の国々はバスケットボールシーズンとなると秋口(国により異なるが、9月から10月)にシーズンが始まり、翌年3月から5月で終焉を迎える格好になっている。ところがここ日本ではシーズンという区切りはなく、年中試合や大会が行われている。
中学高校は4月に新学期が始まり、すぐに地方大会の地区予選そして都道府県大会、6月には9ブロックのブロック大会およびインターハイ予選が行われ7月末にインターハイ。8月末に国体予選、9月末から10月初めに国体。そしてウインターカップの予選、12月末にウインターカップ。1月から新人戦、2月に新人戦の9ブロックの大会が行われる。
中学はこの1月から3月の部分がないが、ほぼ同じ日程であり、高校受験が待ち構えているわけである。

ここで、この日程がどうして問題なのか、である。

世界中は中学高校の多感な時、そして発育が未発達のときに年中競技に特化させるのは如何なものかという点を重く考えている。更に、他国との交流を考えている。
以上の2点を鑑みたうえで、世界中は4月から8月の時期に5大陸の予選や世界大会をしているわけである。
日本はそこの部分に後手を配しているのである。理由は1学期の真ん中から世界的な大会があり、それに向けて強化をしたいにも中間テストや期末テストがあり、まともな強化ができないのである。反対に、世界は夏休みな訳であり、合宿など集中して行えるわけである。この部分だけ考えても、このシーズン制はどうにかならない物だろうか。

東京大学はグローバルスタンダードにしようと、9月からの授業開始を試そうとしている。
今すぐには無理がたくさんあるかもしれないが、どうにかして世界標準にして、来る東京オリンピック目指し強化したいものである。

(2013/4/18)

2013/04/18

NCAAのチャンピオンはルイビル

 マーチマッドネスの終止符を打つべくNCAAのファイナルが終わった。この波乱万丈のシーズンも、遂に幕を下ろした。
シード校が初戦から敗退し無名校が勝ち進むなど、異例な恰好であっただけにどうなるかと思ったが、結局そんな中でトップシードであったルイビルが優勝を飾った。コーチ陣の新旧交代というシーズンかと思ったが、結局は名将のリック・ピティーノヘッドコーチが勝利したのである。
 ピティーノヘッドコーチは、ケンタッキー大学で全米を制し、NBAボストン・セルティックスでヘッドコーチを務めるなど、コーチとしては全米でも屈指の名将である。そんなコーチが、ルイビルで昨シーズンはベスト4そして今シーズンの優勝と、順調に順位を上げてきたのである。
彼は、コーチをすることを「とてもフラストレーションの溜まるつらい仕事である」と言っていて、"あと1年、もう少しだから頑張れ"と自らを叱咤激励しながらコーチをしたといわれる、異例なコーチでもある。それほど辛くて辞めたいだが、勝った時の喜びやその見返りは大きく、60歳を超えた今でもやめていない名将でもある。

 プロのバスケットも、シーズンの佳境を迎えている。日本はJBLが来週にファイナル、bjリーグはプレイオフ間近、海外に目を向けるとユーロリーグもそろそろファイナル4へ突入、NBAも来週末からプレイオフといずれも最後の戦いを目の前にしている。バスケットファンにとって最も面白い時期かもしれない。
これらのプロリーグも、国内外を問わず、コーチ陣やプレイヤーの新旧交代期に来ているチームが多く、異なった意味合いでNCAAと同じような現象が起こるのではないかと思っている。しかし一方では、プロのチームに関してはベテランがとても頑張っていて、国内もベテランが多いチームが、NBAでもベテランが多いチームががんばっている。ここはベテランが意地を見せるのかとても興味深いところである。
いずれも優勝候補はベテランが多いチームであり、戦い方に興味が湧く。ここ数週間ですべてが決まる。

(2013/4/11)

2013/04/11

NBAマイアミ・ヒートの連勝止まる

 マイアミ・ヒートが記録的な連勝を続けていたが、3月27日についに敗戦を喫した。
NBAの記録は、'71-72シーズンのレイカースが記録した"33"であるが、もしかしたら今シーズンのヒートがこの記録を破るのではないかと噂されるほどであった。オールスター以降、中心選手のレブロン・ジェームスの調子はすこぶる良く、誰も止められないのでは、と思うほどの出来であった。そしてそれに続くビッグ3、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュも、それぞれ集中した好プレイを見せていた。

こんなチームにとってどこがウィークポイントなのか、対戦するチームがそれぞれ必死になって戦術戦略を立てた。それにも関わらず27連勝という歴代2位の大記録である。現代のバスケットボールはルールやインフラなど条件がかなり異なり連勝することが難しいと言われていた。"33"の記録から40年を過ぎているわけで、その間にジョーダンを擁したブルズがあり、そしてシャックとコービーで連勝したレイカースがあり、そんな強さで話題になったチームでさえ記録を作れなかったわけで、この年代にこの大記録は素晴らしいというほかない。
ただ一方では、レギュラーシーズンで連勝記録を樹立したらきっと疲れが残りプレイオフの肝心なところで力が発揮できないのではと言われていた。したがって今になって考えれば、3月27日あたりで敗戦した、しかも歴代2位の記録を作ったあたりで止めたことは、プレイオフ目掛けて準備ができるのではという見方もある。

 ヒートには、マリオ・チャルマースというスポルティングの契約選手がいる。スターターのポイントガードである。ビッグ3があまりにも目立つため陰に隠れてはいるが、彼の存在も連勝には不可欠であったことは言うまでもない。これから注目されるチームであるからこそ彼の存在にも注目していただきたい。

 最後に蛇足であるが、ヒートの連勝を止めた対戦相手ブルズは、インサイドのジョアキム・ノアが欠場、ポイントガードのデリック・ローズも復帰しておらず、そしてシューティングガードのリチャード・ハミルトンも出場していなかった。したがってこのゲームだけを見ると、もしかしたら対戦相手を見た瞬間に楽勝と舐めてかかったようにも取れる。
事実ブルズのブーザーに17リバウンドというとてつもない記録を作られたわけで、ここを見てもインサイドに欠点があると言わざるを得ない。しかしヒートにとって大きな対戦相手にもスピードでカバーして余る活躍を見せていただけにどうも敗戦の理由が見当たらないのである。腑に落ちない敗戦である。しかし今後のプレイオフに大車輪の活躍をすることに期待をかけたい。

(2013/4/4)

2013/04/04