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COACH K'S BLOG

倉石 平のバスケットボールブログ 週1回、毎週木曜日アップ!
bjリーグのチャンピオンが決まる

 今シーズンのbjリーグチャンピオンが決まった。
先週末に横浜と福岡という今までにあまり耳にしたことがない双方のチームにとって初のタイトル争いというファイナルであった。bjの聖地でもある有明コロシアム、1万人近くの観衆が見守る中ファイナルが争われた。
bjらしい変則ルールが採用され、外国籍プレイヤーの制限がクォーターごとに変化するというコーチにとって厳しいルールで行われた。日本国籍のプレイヤーを保護する、もしくはスキルアップさせるという狙いもこめられていると判断するが、派手なプレイはやはり外国籍のプレイヤーが目立つ。しかし今回のファイナルに関しては、この派手なプレイヤーの外国人勢を上回る活躍があった。

横浜の蒲谷選手、ファイナルが終わった時点でMVPに選出された。今まではあまり日本人が目立つということがなかったが、今回に関しては、ゲームの序盤から蒲谷選手のアウトサイドシュートが決まりに決まり、得点のほとんどを彼が決めていたといえるほどであった。ゲームの序盤からまさにゾーンに入ったのではと思えるくらいの集中であり、放てば入るといった感じであった。この大舞台で日本人が大きな活躍を見せるのはリーグにとってこの上ない収穫であったように感じる。

 bjリーグは外国籍のプレイヤーのリーグということを常に言われてきた。しかし今回の横浜の異なる戦術が、今までのチームとは異なる展開をみせ、コーチングスタッフにもそしてチーム運営サイドのGMにも大きな刺激になったように感じる。今後もっと進化し続けなければいけないリーグにとって、方向性が定まっていなかったように感じていたが、今回のファイナルをきっかけに大きく舵取りができるように感じる。
日本のトップリーグという格好で来シーズンから始まるNBL、ここに参入するbjリーグのチームもあるが、はやくNBLとbjリーグが統合したリーグが生まれることを望みたい。難しい問題は山積というのは理解するところであるが、すべての関係者が協力し合い利害を抜きに進めば面白いリーグが展開されると思われる。

2013/05/30

日韓学生バスケットが終わる

 先週末、福岡で日韓学生の大会が終わった。
結果は1勝2敗で韓国の勝利。しかし戦いの経緯は、2勝されての最終日に日本チームが勝利であり、試合としたらホームである日本に韓国チームが塩を送った感じである。非常に実力の差を感じた。しかも同時期に韓国仁川(インチョン)で、東アジア大会が行われていたため、日本に来た学生は1.5軍くらいの格である。日本も数人がフル代表にとられていたため10人での戦い。しかし勝たねばならない状況だったはずである。

 今回はこの状況を生んだ強化について考えてみたい。あくまでも自分の私的な見解であり、強化について批判しているわけではない。

ここ数年、日本は学生そしてフル代表共に韓国に歯が立たない。戦術戦略に至る前にサイズの問題、身長・体格の差、そしてシュート力において大きく水をあけられている感は拭えない。
どうしてここまでこのような差が生まれてしまったのであろうか。ここには、国を挙げての強化策に差が生まれたと考える。
1988年のソウルオリンピック前から韓国は国の強化策を打ち出し、国費をかけて強化に取り組んだ。内容的には、エリート教育に特徴があると考える。現在も韓国はそうであるが、中学からエリートのみに脚光が当たるように、そして高校以降はエリートのみしかプレイができない形をとっている。したがってその証として日本の選手登録が62万人、それに比して韓国は1800人といわれている。これをどのように考えるかである。
スポーツ権があるのであるから、日本のように部活動でプレイさせるのが当たり前という形、逆に韓国のようにエリートしかプレイをさせないという格好である。もちろん賛否両論があってしかるべきだと思う。しかしこれだけ大きな差が生まれている以上日本はどこかに歯止め、もしくは新しい策を作らねばならないところに来ていると考える。
苦境に立たされているが、このまま手をこまねいているわけにはゆかない。

2013/05/23

ユーロリーグチャンピオンにオリンピアコス

 ユーロリーグが終わった。
ファイナル4に進んだのが、バルセロナ(スペイン)、レアル・マドリッド(スペイン)、CSKA(ロシア)、そしてオリンピアコス(ギリシア)。
準決勝はスペイン対決、ライバル関係にあるレアル・マドリッド対バルセロナ。双方ともに元NBAプレイヤーを多く持つ豪華なチームで、見ごたえ十分なゲームであった。観方とすると、経験豊富なバルサ、対する成長著しいレアルと言った恰好であった。オリンピックでも活躍した双方のプレイヤーであったが、若いレアルが接戦をものにしてファイナルに進出。
この戦いもバルサきってのスーパースター、ナバーロが9点、これでは勝ちようもない。逆にレアルの若手、リュルが13P、ロドリゲスが12Pという活躍。
もう一方の準決勝がCSKA(ロシア)対オリンピアコス(ギリシア)。ここでも、双方のチームに元NBAプレイヤーが多く所属する。
そんな中でCSKAは元NBAセンターのクリスティッチが2Pという体たらく。これでは勝てない。チームとしても52点しか取れずオリンピアコスに大敗を喫してしまった。

そしてファイナル、ここ数年のことを考えると誰もがレアルが勝利すると疑わなかったはずだ。ところが、ふたを開けると100点を取ってのオリンピアコスの快勝となった。得点もロウが20P、スパノリスが22Pとずば抜けた高得点がいるわけでもなく、平均的に多くのプレイヤーが得点する形となった。対するレアルは、元NBAのルディー・フェルナンデスが21P、オリンピックの銀メダリストのロドリゲスが17P、リュルが14Pと、いずれもガード陣と小柄なプレイヤーが多くの得点をたたき出した。
ゲームの戦術戦略の違いもあるが、ユーロリーグは一時期インサイドゲームが多かったが、再びシューティングゲームになるのではないかと思わせるような得点配分である。

スペインのコーチらは言う、スキルはついにアメリカを抜いた、と。ただフィジカル面を超えるほどには至っていない。これからこの上回ったと言われるスキルをいかに発揮させ勝利するか、観ている我々にとってはこの上ない状況だ。
来年14年には世界大会が行われる、そこでのユーロ対アメリカの戦いが楽しみになってきた。

2013/05/16

NBAプレイオフ2回戦へ

 NBAプレイオフが2回戦へ進む。
1回戦から接戦続きのプレイオフ、今回はこの中でイースタンカンファレンスのボストン・セルティクスに焦点を当てたい。

ここ数シーズンNBAのチャンピオンを獲得して以来下降線をたどっているボストン。特に今シーズンは、シーズン当初に新旧交代を迎え、中心プレイヤーであったそしてスポルティングの契約プレイヤー、ポール・ピアースがロンドに看板を渡した格好であった。シーズン開幕からニューボストンといった格好で面白いチームが出来上がっていた。
ところが、その頼みの綱ポイントガードのロンドがシーズン半ばにして前十字靱帯断裂、今シーズン絶望となってしまった。それまでのプレイタイム等によりシーズンアシスト王には輝いたがあまりにも痛い代償であった。ボストンにとってこの痛みはイコールお家の一大事、ここで奮起したのがやはりベテランのピアース、やはりボストンの看板はピアースなのである。

 では、プレイオフ1回戦はどうだったかというと、初戦から3連敗・・・やはりポイントガードがいなければ勝てるわけがないと誰もが思っていた。ところがここから男ピアースは、徳俵まで追い込まれながら奮起、2連勝をした。ほとんどのゲームが90ポイント前後というディフェンスのゲーム、点数が入らないからこそプレイヤー、コーチ、いやファンとてイライラ。しかし6戦目にして力尽きピアースも5点しか取れず敗退してしまった。ただこのシリーズのピアースの頑張りは19.2PPG、5.7RPG、5.3APG。十分に大黒柱の働きであった証明でもある。

 今シーズンのプレイオフは、怪我が多いというのも特徴であるが、強いチームが抜群の力を発揮して勝てないということが起こった。今までのNBAとは異なり、はっきりとしたセンターがいない、そのため安定した力を発揮できない、またディフェンススキルが向上して攻撃が組み立てられないという現象が出てきているように感じる。
まだまだ続くプレイオフ、チャンピオン最有力と言われたヒートが今日敗戦、まだまだ目が離せない。今後が今シーズンのファイナル・・・最もおもしろい場面が多々出てくるはずだ、期待したい。

2013/05/09

NBAプレイオフ始まる

 NBAのプレイオフが始まった。
7戦4勝勝ち抜けのトーナメント方式で行われ、現在ファーストラウンドが展開されており予想通りの激しい戦いが繰り広げられている。勝率上位のチームが上位のシード権を持ち、しかもホーム&アウエー方式で行われるため上位シードチームにホームコートアドバンテージがあるため、戦い方としては優位である。
現在(4/30時点)では、東のマイアミ・ヒート、西のサンアントニオ・スパーズが4戦4勝で勝ち上がった。上位シードチームの貫録を表現した感じである。シードが4位、5位あたりは戦前から激しい戦いが予想されていたが、案の定シカゴ・ブルズ対ブルックリン・ネッツなどはオーバータイムに至る大激戦、これからどうなるか目が離せない状況だ。インディアナ・ペイサーズ対アトランタ・ホークス、そしてLAクリッパーズ対メンフィス・グリズリーズも目が離せない。いずれもホームコートアドバンテージなど関係ない戦いぶりであり、双方ともにしっかりとスカウティングがなされ、完全に丸裸の状況での争いになっている。コーチ陣、腕の見せ所でもあり、観ているファンにもとても興味が持たれる状況である。

プレイオフは、不規則なゲーム展開となるためコンディショニングが難しい。早く勝って次のラウンドに上がったヒートやスパーズにとって、レギュラーシーズンから毎週3回程度のゲームをこなしていたわけで、それが次の対戦相手が勝ち抜けるまで待たなければならない。思わぬ休み期間が生まれるわけである。こうなるとコンディションを整えるのが難しくなり、かえって待ちくたびれてしまう状況になる。しかし、だからと言って接戦をものにして次のラウンドとなると、体力的にも苦しい展開となる。このあたりがプレイオフならではである。
勝ち上がれば上がるほど、スカウティングにより多くのデータが生まれ、より対応策が練られてくる、これこそ本当のNBAと言われる頭脳戦プラス体力戦という形になる。ファンにとってこれ以上の楽しみ、感激はない。

2013/05/02

NBAのスカウティング

 現在NBAのプレイオフ真っ最中であるが、このプレイオフに大変なのがプレイヤーはもちろんのことであるが、寝る間も惜しんでゲーム勝利のために戦っているスタッフがいる。それがビデオコーディネーター、彼らの存在は現在のプロバスケットにおいてはなくてはならない。

どのような仕事をしているかというと、まずゲームのビデオを撮る。自チームはもちろんのこと、対戦する相手の全ゲームを撮る。
そして次に撮った映像を加工する。現在はDVDとなりデジタルで処理ができるようになったため、非常に加工が簡単になった。しかしそれでもPCや分析ソフトが不可欠であることは言うまでもない。これが、チームにより異なるが、自らの戦術戦略を立案するために重要なデータを奪取するための分析である。NBAの30チームが週に3ゲーム程行っているわけで、日々大変な量のデータを処理している。最低でも日々10ゲームほどを処理していかないと終わらないつらい仕事である。しかも少しでも間違うとデータは使えなくなってしまう厳しいものである。
また、ゲーム中に自チームの現状をデータで各コーチ陣のPCに送信する。ハーフタイムにはリアルタイムで映像をダイジェスト版や見たい箇所のみクリップして送信しているのである。その結果、修正を行い後半のための戦術戦略を立てるのである。

 ビデオコーディネーターはとても大変な仕事であるが、ここを通過しなければ次への階段は開けない。次への階段とは主にアシスタントコーチであるが、簡単な道ではない。ヘッドコーチに認められそしてクリエイティブな力を発揮しなければアシスタントにはなれない。
NBAの長い歴史の中で唯一、このビデオコーディネーターからヘッドコーチになったものがいる。それがマイアミ・ヒートのスポルストラヘッドコーチである。彼は唯一のアジア人コーチでもある。現在、とても強さを発揮しているヒートだけに面白くもある、彼の力はこのビデオコーディネーターからの積み上げから培ってきた芯の強さ、データを我慢強く処理してきた忍耐強さなどが加味されているのかもしれない。

2013/05/02